ヘッドライトやテールなど、熱でカラ割りできない溶着タイプのレンズ類をLED加工しようと考えると必要になってくるのが超音波カッター。
ただ、超音波カッターにもいろいろ種類があり金額もかなり違ってくるので、いざ購入を考えても「どれ買えばいいの?」とほとんどの人は迷うはず。
金額を考えないならスズキの超音波カッターがパワーもありベストだが、仕事ではなく個人で使うのに20万円近くのお金を払うはちょっと厳しいところ。
仕事ではスズキの超音波カッターやエコーテックのZO-80IIを使っているが、プライベートでは私も一般的なホビー用の超音波カッター2台を愛用しています。

超音波カッターは仕事でもプライベートでもかなり使い込んできたので、超音波カッターにはかなり詳しいです。
この記事ではこれから初めて超音波カッターを購入する方向けに、失敗しない選び方をまとめています。
超音波カッターってどんな工具?
まずは簡単に説明します。
超音波カッターは、刃先が1秒間に20,000~40,000回くらい小さく振動して、素材を「削る」のではなく「サクッと溶かしながら切る」感じの工具です。
ほとんど力を入れなくても、プラスチックをまっすぐでも曲線でもキレイにカットできるのがポイント。
使い方に多少コツはいるけど、切ったあともバリが出にくいし、変形もほぼナシ。
摩擦が少ないから刃も長持ちするし手も疲れにくい。
あと、熱が広がらない設計だから、レンズ類のカットでも熱で歪まず安心して使える。
どんな場面で使うの?
車のカスタムで使う場合に一番役立つのはレンズ類のカラ割り作業だろう。
溶着タイプのヘッドライトやテールランプ、フォグランプなどのカラ割り作業には絶対に必要になる。
外装だとバンパーをちょっとカットしたり、内装パネルをカットしたり削ったり、パネル裏面のリブをカットしたりと持っていると助かる場面が多い。
ABS樹脂とかアクリルなどの割れやすい素材もラクに切れるし、狭い場所の加工にも向いている。
とにかく「細かい作業をキレイに仕上げたい!」ってときに無くてはならないのが超音波カッターです。
超音波カッターで切れる物は?
超音波カッターでカットできる物は大体下記にあるものかな。
車いじりとは関係ないけど、プラモやラジコン制作などのホビー用で使ってる人も結構多いよね。
超音波カッターで切れる物
- 樹脂:ABS、PP、PET、アクリル
- プリント基板のパターンカット
- 接着剤の半乾きや硬化後の加工
- 光造形用サポート材の切断
- ラミネートの切断
- スチレンボードの切断
- プラ板の切断
- プラスチック段ボールの切断
- 紙の切断、切り抜き
- ペットボトルの切断、切り抜き
- 車の内装樹脂部やバックカメラ後付け樹脂部の切断
- マウスピース成形後の切断
- 石膏の切断
- 品質解析用の分解ツールとして
- 板厚:3㎜以下
実際に使ってみるとこんなに便利!
とにかく「力任せに切らなくていい」ってのが一番の利点。
軽くなぞるだけでスーッと切れていくから、手も疲れにくいしケガもしにくい。
しかも、切ったあとが「めちゃくちゃキレイ!」だから、カラ割り後のカラ閉じ作業も綺麗に仕上がる。
少し練習すればDIY初心者でもかなりいい感じに仕上がるようになる。
正直、一度使ったら時間をかけて加工していたのがバカらしくなる。
二度と手放せない便利さで、超音波カッターがないDIYはマジで正直考えられない。
LED加工や内装カスタムで役立つ使い方実例
内装パネルの切り欠きや小加工に
追加メーターの配線通したり、スイッチ付けたりするために、内装のパネル裏をちょこっと加工したい…ってとき、ありますよね。
でも工具が入らなかったり、削りすぎたり、地味に難しい。
そんなときでも超音波カッターなら、狭い場所でも自由自在にカットできる。
ちょっとずつ削れて、切りすぎ防止にもなるし、強度もキープしやすい。
DIYカスタムの相棒として超おすすめです!
レンズ類のカラ割り作業
超音波カッターが欲しい人のほとんどがレンズ類の加工に使いたいと思ってるはず。
Pカッターやリューターなどでカラ割りしてる人もいるけど、カスはめっちゃ出るし切り口は汚いし時間がものすごくかかるからマジでオススメしない。
ヤフオクやメルカリで見かけるLEDカスタムされたヘッドライトやテールランプ加工を自分でやって、「副業として稼ぎたい!」という話も良く聞く。
加工品を販売して行きたいなら性能が良い上位機種を最初から買うのがいいかも。
ちなみに最近は「超音波カッターナイフ」というポータブルタイプの商品もあるが、これホントに使えない。
模型制作とかなら大丈夫かもしれないが、車いじりでは全く役に立たないから後悔したくないなら間違っても買わない方がいい。
初心者におすすめの超音波カッター4選
ここではオススメの超音波カッターを4つ紹介する。
見てもらうと分かるがエコーテックばかりになってしまった。
信頼性も高く使い方を間違えなければ長く使用できるから、口コミとかがあまりないよく分からないメーカーの物を買うぐらいならエコーテックを買っとくと間違いない。
コスパ重視!エントリーモデル ZO-30PII
エコーテックの超音波カッターシリーズの中でも、一番リーズナブルな初心者向けモデルです。
このモデルにはより溶けが少なくカットできる薄刃体験セットが付いています。
まずは超音波カッターがどんな感じか試してみたいなら、「エコーテック ZO-30PII」がオススメ!
バランス型!スタンダードモデル ZO-41II
「エコーテック ZO-41II」このモデルは超音波による振動の強さを自動で切り替える事ができる人気モデル。
2つのパワー(ノーマル/ハイ)を選べるから、内装パネルやレンズ類でちょっと固い物を切る時にハイモードに変更して通常より楽にカットができる。
そうそう買い換える物ではないので、予算に余裕があるなら「ちょっとパワーが欲しいな」という場面でハイモードに切り替えできる「エコーテック ZO-41II」を選ぶと間違いない。
ごんた屋専用モデル 超音波カッター NH7603
テールやヘッドライトなどのレンズ類をメインにカットするならごんた屋の超音波カッターが一番かな。
金額は高いけど、切断だけじゃなく別売りの溶着刃を買えば溶着もできるからテールのカラ閉じ作業に最適。
逆にテールランプ加工などをメインでやらないならごんた屋モデルは必要ない。
とにかくパワーが欲しいなら! エコーテック ZO-80II
ホビー用超音波カッターとしては、最高の切れ味でスーパーハイモードを搭載。
パワー切替は3段階 (ノーマルモード、ハイモード、スーパーハイモード)なので、サクサクカットしたいならこれが一番。
買えるならもちろんスズキの超音波カッターが一番いいけど、さすがに自分用で20万オーバーはなかなか出せないよね。
これからDIYで長く車いじりをやっていくなら、「ZO-80II」は充分元が取れるぐらい使えるから迷っているなら買って損はない。
超音波カッターと一緒に購入した方が良い物
超音波カッターを購入するときに一緒に揃えた方が良い物を紹介しておく。
超音波カッター メンテナンスセットSB01
メンテナンスセットは必ず必要になるから、絶対に一緒に購入をオススメする。
メンテしないと切れが悪くなり刃先が熱を持ちオーバーヒートしてすぐ止まるようになるから要注!
また、メンテせずに使い続けるとハンドピースの寿命が短くなるからこれは絶対買った方が良い。

なぜこれが本体に付属していないのか謎である。メンテは絶対必要なのだから最初から付属してて欲しい…
トルクドライバーZH25T2
刃を交換したときのイモネジを固定する為のドライバーです。
絶対に無くてはならない訳ではないが、あるとかなり便利で「イモネジを締めすぎてナメてしまった…」というトラブルを未然に防げる。
ネジをどのぐらいの力加減で締めれば良いか分からない人は購入した方が無難かな。
イモネジをナメるとかなりやっかいで、外すのにかなり苦労するから不安な方は購入を検討した方が良い。
ただし、ドライバーにしてはかなり高額なので、メーカー純正品にこだわりがないなら次に紹介するTONEの方がオススメ!
トネ(TONE) トルクグリップ TG0.6 ビット差込 0.6N・m
エコーテックのトルクドライバーはさすがに「高すぎ!」という方はTONEでも全然良いと思う。
私も愛用しているけど、トルクのブレも少なくケースも付いてて問題なく使用できている。
周りのDIYでカスタムしてる仲間もみんなこれ使ってる😀

ただ、先端のビットは付いていないので別途購入が必要。
PBの六角ビットは精度も良いので一緒に購入すると良い。
トルクドライバーは欲しいけど金額を抑えたいならTONEのトルクドライバーとPBの六角ビットを購入しよう!
超音波カッター ZOシリーズ用 長刃 25mm
これも必ず必要な訳ではないが、テールランプのカラ割りをメインでやるつもりなら1本は持っていた方が良い。
標準の刃はかなり短いから、テールのカラ割りをしていると長刃がないと刃先が届かない部分が結構でてくる。
いざというときに「刃が届かなくて切れない!」となるとストレスMAXなので、1本持っておくと安心だ。
ちなみにこの刃はひねったりするとすぐに折れるから、「届かないところだけをカットする専用刃」として使うと長く使えるからコスパが良くなる。
購入前に知っておきたい注意点とQ&A
初めて使うときのコツは?
ポイントは「押さない」「焦らない」。軽くなぞるように動かすとキレイに切れる。また、1回で無理して切ろうとしないこと。最初は直線から練習して、慣れてきたらカーブや丸穴にも挑戦しよう!切りはじめがブレやすいので、目印を付けておくと失敗しにくい。刃は熱くなるので、素手で触らないのも超大事。
よくある失敗っとどんなの?
よくあるのが「力を入れすぎて素材がグニャッと溶ける」って失敗。超音波カッターは“なぞるだけ”で切れるから、つい力を入れすぎると逆にうまくいかない。コツはとにかく“力を抜くこと”。あと、熱がこもると刃が劣化しやすいから、長時間使うときはちょっと休ませてあげると◎。まずは使わない部材で練習するのもアリ。力を入れて使いすぎるとハンドピース先端の刃を固定している部分が破損するから注意!
壊れやすい?耐久性は?
安いモデルだと、連続使用でモーターや刃の付け根が弱いこともあるが、今回紹介しているエコーテックの製品は耐久性は抜群。発熱対策もしっかりしているし、替刃も価格が安い割に耐久性もある。「連続使用すると止まる」「すぐ切れ味落ちる」という口コミも見かけるけど使い方の問題で製品は問題ない。信頼できるメーカー製を選ぶのが、結果的にコスパ良く安心!
まとめ|超音波カッター選びは「用途」にあわせて選ぼう!
超音波カッターは、車のカスタムをもっとラクに、もっとキレイにしてくれる最高の相棒です!
最初は「ちょっと高いな…」って思うけど、一度使ったらマジで手放せなくなる。
選ぶときは「自分がこれからどんな作業に使いたいか」をはっきりさせて、予算の中で一番良い物を選ぶと後悔しない。

超音波カッターを手に入れると仕上がりのクオリティがめちゃアップするぜ!