純正では基本的に寒冷地仕様にしか装着されていないリアフォグ(バックフォグ)。
ドレスアップ目的で装着を検討している方も多いと思います。
夜間の見た目のインパクトも絶大で、光り物系のカスタムでも人気のアイテムです。
しかし、社外品をそのまま何も考えず取り付けて車検NGになったという話をよく聞きます。
リアフォグを装着するのは、保安基準を守っていれば問題ないのですが、細かな規定を知らない人は意外と多い印象です。
そこで今回は「合法的にリアフォグを装着したい!」というあなたのために車検に通るリアフォグ装着方法をご紹介します。
リアフォグ(バックフォグ)の保安基準を確認
まずは保安基準で決められたルールを知る事が大切です。
リアフォグの規定は保安基準の第37状の2(後部霧灯)を見ると詳細が確認できます。
わかりやすく説明すると以下のようになる。
リアフォグの共通ルール
- リアフォグの照射光線は、他の交通を妨げないものであること
- 点灯色は赤色のみ
- 取り付け個数は1個または2個まで。3個以上はダメ
- リアフォグは、前照灯またはフロントフォグが点灯している場合にのみ点灯できる構造で、独立して消灯できる構造であること
- 点灯状態がわかるインジケータランプを装着すること
取り付け位置に関するルール
- 平成8年1月31日以前の車両は、リアフォグ点灯部分の中心部が地面から1m以下であること
- 平成8年2月1日~平成17年12月31日の車両は、リアフォグ点灯部分の上縁が地面から1m以下であること
- 平成18年1月1日以降の車両は、リアフォグ点灯部分の上縁が地面から1m以下で、下縁は地面から0.25m以上であること
- 制動灯の照明部分から100mm以上離れていること
- 1個取り付け時は車両の中心、または中心より右側寄りに装着すること
- 2個取りつける場合は左右対称になるように装着すること
取付時の注意点
上記で簡単にまとめたが、気をつけていればそこまで難しいルールではないのでまずはきちんと理解しよう。
特に注意したほうがいい点をもう少し詳しく説明します。
後付けの場合は高さと場所を考えて取りつける
基本的に後付けでリアフォグを装着する場合は、リアバンパーに取りつける事が多いと思う。
たとえば、200系マジェスタのバックランプを寒冷地仕様の純正流用でリアフォグありのバック&リアフォグに交換する時は高さはまったく気にする必要はない。
なぜなら、純正でリアフォグの設定があるということはメーカー側が保安基準に適合するように設計しているから。
高さに気をつけなければいけないのは、社外品や他車種のリアフォグを流用加工して取りつける時など。
流用加工して取りつける場合は、リアのアンダースポイラーやリアバンパーに装着するパターンが多いと思います。
カスタムしている車両はほぼローダウンしているからここで高さが問題になる。
注意したいポイントは「下縁は地面から0.25m以上であること」という部分です。
車高がかなり低い場合はとくに注意して装着場所を決めるようにしよう。
バンパーの下側ギリギリの部分にあわせすぎると、0.25m以上をクリアできなくなり車検時に思わぬ出費を強いられることになる。
車検に通すときの車高を意識して位置決めをすると安心だ。また、2個装着する場合は左右対称になるように取りつけるのもポイント。
F1タイプの点滅するバックフォグは車検NG
社外品でよく見かけるF1タイプの点滅するバックフォグは、夜間点滅させるとかなり目立つがもちろん車検には通らない。
リアフォグを点滅させるキット等もいろいろ販売されているがが、こちらも同じく点滅するから確実にアウトである。
点滅させて夜間に公道を走行していると、すぐにパトカーに止められて整備不良でキップを切られる可能性大。
イベント時やナイトミーティングなどの場所だけで点滅させるようにして、街中でバックフォグを点灯させるのも迷惑なのでやめた方がいいだろう。
ポジション、ストップ連動も車検NG
リアフォグをポジションやストップと連動させて使用する目的で取りつける場合は、車検時は連動したままでは確実に指摘されて車検に通らない。
装着したまま車検に通すには、連動しないようにしてリアフォグ装着時の保安基準を満たすようにする必要がある。
これを車検ごとに配線をいちいちやり直すのはかなり面倒なので、装着時にスイッチを付けて簡単に切替ができるようにしておくと後々かなり楽になる。
純正リアフォグをLED加工してポジション/ストップ連動で装着していても、パトカーや白バイに止められて切符を切られたという話は今のところ聞いたことがない。
保安基準でいうともちろんNGなのだが、LEDリフレクターと同じような感じでスルーされているように感じる。
もちろん、地域によりこの辺りは変わってくると思うから連動させるかどうかは自己責任で判断して欲しい。

運転席に点灯ONでインジケータランプが点灯するスイッチをつける
純正のリアフォグの場合はメーター内やスイッチにインジケータランプがあるからいいのだが、後付けの場合は運転席のあいているダミーカバー部分等にインジケータランプがついたスイッチを必ず取り付けよう。

インジケータランプがないトグルスイッチなどは目視された時にNGとなるので、点灯ONでランプが点灯するスイッチを用意しましょう。
配線はポジションONで電気がくる配線から分岐して、保安基準の規定にあわせて点灯させれば問題ありません。
純正リアフォグがバンパーに装着されている車両は車高に注意!

最近の車両でいうとスイフトスポーツ(ZC33S)やGR86(ZN8)などの、リアフォグがバンパーに付いている車両のローダウンは注意が必要。
車高を落としすぎると「地面から0.25m以上」という基準に引っかかり車検に通らなくなる。
最低地上高は問題ないのに車検に通らないというのは悲しすぎるので、車高を上げたくない場合はリアフォグを取り外して対策するしか方法がないから気をつけよう。
基準を守っていれば車検はまったく問題なし!
リアフォグを後付けして「車検に通らなかった・・・」という方は保安基準で決められたとおりに装着していなかっただけです。
カスタムしている車両に装着するときに一番気をつけたいポイントは、やはり地面から0.25m以上という部分かな。
バンパーを加工して取り付けると、その場で位置を簡単に変更できないのであまり下側につけないように注意しよう。