ヘッドライトをカスタムしたいと考えた時に、インパクトがあるのが「イカリング」。特にプロジェクタータイプのヘッドライトとの相性は抜群で、イカリングの装着は定番のカスタムになっています。
クルマの顔とも言えるヘッドライトをカスタムすると、ノーマルとは存在感が圧倒的に違ってくるので人気のドレスアップです。
ただ、イカリングを装着しようと思った時に疑問に思うのが「車検ってイカリング付けても通るの?」ということです。ネットで検索してみると、通るという人もいれば通らないという意見もあり「結局どっちなの?」と答えがわからず迷っている方も多いと思います。
答えを先に言っておくと「車検は基準さえ守っていれば通る可能性が高い」です。イカリングを付けたら即NGではないのです。
もちろん、車検に合格できるかどうかはさまざまな条件があるので、どんなイカリングでも車検に合格できるわけではありません。
そこで今回はイカリングを装着してドレスアップを考えている方の参考になるように、よくあるイカリングの疑問をまとめてみました。
イカリングを車検に通すために保安基準を理解する
イカリングを付けて車検を通したいなら、まず保安基準を確認しておかないと話になりません。
なので、簡単に下記にまとめてみました。詳細に知りたい場合は国土交通省のサイトで確認してください。ただ、かなり見にくいです。
・色 (平成17年12/31以前)白色、淡黄色または橙色でその全てが同一であること
(平成18年1/1以降)白色【方向指示器と一体のものは橙色でもOK】
・大きさ 15cm2以上
・光度 300cd以下
・光源 (平成17年12/31以前)5W以上
(平成18年1/1以降)5W以上30W以下
・個数 (平成17年12/31以前)規定なし
(平成18年1/1以降)2個、または4個
・位置 (平成8年1/31以前)照明部の中心の高さが地上2.0m以下
(平成17年12/31以前)照明部の上フチの高さが地上2.1m以下
(平成18年1/1以降)照明部の上フチの高さが地上2.1m以下、下フチの高さが地上0.35m以上
(全年式)照明部の最外縁は車の最外側から400mm以内
・視認距離 夜間前方300mから点灯を確認できること■”その他の灯化”の基準
・色 赤色以外(車両前方に備える場合)
・光度 300cd以下
「光度300cdってどのぐらいの明るさ?」という疑問が出てきますが、現在の現行車は全て車幅灯の明るさが300cd以下と規定されています。なので車両の車幅灯の明るさを超えないようにすれば自然と300cd以下になります。
逆に、車幅灯よりあきらかに明るいと超えている可能性が高くなるので、自作でヘッドライトに組み込むときは明るさを比較して取り付けるようにしましょう。
自作で取り付ける場合やショップに製作を依頼する場合の注意点
自作で取り付ける場合は、車検に通るように上記の保安基準を満たすよう制作しよう。
ショップで製作してもらう場合は、そのお店が保安基準を理解しているか必ず確認してから依頼することが大切です。意外と決まりを知らずに制作しているショップは多いので注意が必要です。
仕様の打ち合わせや制作にかかる金額などの話をするときに、さり気なく「この仕様は車検の時に問題にならないか?」みたいな感じでどのぐらい把握していそうかを確認するようにしましょう。
確実に車検NGな仕様で制作してしまうと、車検ごとにヘッドライトを純正に戻す作業をやらなければならず時間やお金がムダになります。
ショップに頼む場合は、割り切って「完全イベント仕様」などを製作するのでないなら、きちんとした知識のあるお店を見極めて頼むようにすることが大切です。
社外品のヘッドライトに内蔵されているイカリングは問題ないのか?
社外品は保安基準適合をうたっている商品は基本的には大丈夫です。しかしこれも「どこに車検に出すのか?」で判断が変わってくるので、社外品のヘッドライトを付けたときも車検に出すお店はよく考えたほうがいいですね。
社外のヘッドライトメーカーで有名なのは、「クリスタルアイ」「ヴァレンティ」などですね。ただ、他にも多数のメーカーがありますので「すべて車検に通るのか?」と言われると微妙です。
最低でも「保安基準適合品である」「Eマークを取得している」という基準を満たしているヘッドライトなら「失敗した・・・」とならずにすむと思います。
社外品を購入する場合は有名メーカーのヘッドライトのほうが少し安心感はありますね。
イカリングのよくある疑問
イカリングを装着しようと考えている人によく聞かれることを簡単にまとめてみました。
車検の時は点灯させなければOKって聞いたけど?
イカリングを取り付けて「車検時は点灯しないようにしておけば大丈夫でしょ」と思っている人もいますが、これは車検の時はNGになります。
基本的に光る部分が点灯しないということは、球切れと判断されるので通りません。飾りと判断してくれれば大丈夫かもしれませんが、イカリングを見てただの飾りと思う検査官は多分いませんのでやはり厳しいですね。
イカリングの色は何色でも大丈夫?
イカリングの色は”車幅灯”とするか”その他灯化”とするかで色の規定があります。規定に沿った色なら大丈夫なので、使いたい色に合わせてどちらにするか選択しましょう。
車幅灯の場合
車幅灯とする場合は車両の年式で使える色が変わります。
・平成18年以降の車は「白色【ウインカーと一体のものは橙色でもOK】」
車幅灯としてイカリングを使いたい場合は上記の色以外はNGです。ブルーなどはもちろんダメなので注意しましょう。
その他灯化の場合
その他灯化としてイカリングを装着する場合の注意点は2つです。
・光度 300cd以下
その他灯化として装着するときは、赤色以外なら大丈夫なのでブルーなどもOKです。ピンクなどは赤色と判断される可能性があるので、やめておいたほうがよいでしょう。
流れるイカリングや点滅するものでもよいのか?
イカリングが流れたり点滅するものは全てNGです。
流したり点滅させたりしたい場合は、RGBイカリングなどのリモコンで色や点滅などパターンを変えれるものを使用して、車検時は通常点灯に切り替えるのがベスト。
ヤフオクなどで加工済みのヘッドライトを購入する場合は要注意!
ヤフオクを利用している方はわかると思いますが、自作加工からショップ加工品まで多数のヘッドライトが出品されています。ただ、多くのヘッドライトは見た目優先で制作されているので、車検はNGと考えて購入しないと後悔することになります。
車検に通る通らない以前に、「光軸調整が全くできない!」「走行時にライトがどこを向いているかわからず使い物にならない!」「画像ではキレイそうだったのに実物は仕上がりが汚すぎる!」など問題のあるものも多いので、もし購入を考えているのであれば失敗しないように気をつけたいところです。
購入する時に特に見るべきポイント
画像で見て汚く見えるものは実際の商品はもっと汚いと思うべし
価格が異常に安くないか?
評価に”非常に悪い”や”どちらでもない”がないか?
上記項目は最低でも絶対に確認してから入札しましょう。
評価を確認するときは、評価で購入者から苦情が入っていないかは確実にチェックすること。内容の悪い評価が少しでもある出品者からは購入しないほうがトラブルになりにくいです。
ただし、評価が良いからと言って安心してはダメです。悪い評価がある程度付くとIDを変えて出品している販売者もいるので、評価数が多くて良い評価のみの出品者のほうが安全です。
少しでもリスクを低くしたい場合は、質問欄から疑問に思ったことは確認すること。返答がない場合は答えにくい、または公開したくない質問ということですからそういう出品者もできればさけましょう。
ぎちんと疑問点に返答をくれる評価の良い出品者から購入すれば、使い物にならないレベルのヘッドライトが届くリスクは下げることができます。
保安基準に適合していればイカリングを追加しても車検は基本的にOK
結局、DIY自作でも社外品でも保安基準を満たしていれば車検は基本的には通ります。ただし、車検に出す場所の検査員の判断で問題がなくてもNGになることは残念ですがあります。
ディーラーや認証を受けた指定工場などは特に厳しいです。検査員が怪しいと判断するものはNGとする傾向があるので不合格になる確率は高いです。納得がいかない場合は「どの部分がどのようにダメなのか?」を具体的に確認してみましょう。
ディーラーなどでNGと言われた仕様のまま陸運局に持ち込んでみると、何の問題もなくOKとなるケースは実は珍しくありません。なぜなら、判断するポイントがディーラーと陸運局の検査員では違うからです。ディーラー系は判断に迷ったら会社を守るためにNGにする方が多いです。逆に、陸運局は保安基準の内容と照らし合わせて明らかに問題がない場合はOKとするからです。
まぁ、よくわからないものを自分の判断ミスで車検を通してしまって、あとで問題になると困るからという気持ちも分からなくはないですが、このあたりはもう少しディーラー系の検査員にも勉強していただきたいところですね。
最終的には、どの程度ヘッドライトをカスタムしているのかに合わせて車検に出す場所を考えれば車検も怖くありません。ヘッドライトにイカリングを付ける場合は保安基準に適合するように加工して、あとから困らないようにカスタムライフを楽しみましょう!